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メーカーテスト & ルーキーテスト 富士スピードウェイ

 2015年3月20日、2015 S-GT シーズンが始まる前のメーカーテストに出かけた。テストの目的は、前回のテストで見つかった不具合の修正を確認するとともに、シーズン開始前の最終チェックとなる完成形を目指す。
 今回、新人ドライバーのルーキーテストもかねて、Libroを木曜日の昼に出発する。


 岡山に比べると広々とした感じ。整備を急ぐメカニックたち。

今回の搬入は23日(木)の夕方から。7時頃までメーカーのサーキット貸し切りがあったので、搬入開始は午後7時半過ぎからとなった。

前回同様に荷台下の荷物から降ろす。写真でははっきりしないが、霧の濃い夜だった。

荷台にマクラーレンが見える。

ピット内にマクラーレンを持ち込んだところ。

両ドアを上げて整備準備にかかる。この日は午後9時半過ぎに作業を切り上げ、ホテルへ移動、チェックインを済ませる。

21日(金)、今回、山脇大輔ドライバーのルーキーテストを兼ねてメーカーテストに臨んだ。写真はシート調整をする山脇ドライバー。

*ルーキーテスト:スーパーGTに初めて参加するGT300クラスのドライバー、2シーズン以上スーパーGTに参加していないGT300クラスのドライバー、GTAより指名されたドライバーおよびチームが対象となるGTAが行うテスト。GTAが主催し、合格しないとS-GTドライバーとして参加できない。

当日は雨でボディが直ぐに汚れる。ボデーを拭くのも大事な仕事だ。

サインボードでラップタイム、周回数をドライバーに知らせる。

ピットレーンを走るマクラーレン。黄色いヘッドライトはGT300クラス。

ピットに真っすぐ突っ込んだ車は皆で押して出す。

ツールキャディを覗いてみる。オレンジのツールは「安全くん」と我々が呼んでいるもので、車両付属のエアジャッキを伸ばしてリフトアップしたとき、安全のためにジャッキのラム(伸びるところ)に填めて、不意の落下を防ぐもので手作り。まさしく「安全くん」だ。

四輪の荷重を測定するコーナーウェイトゲージを設置する。ピット内の床面は水平でないので、先ずはアルミの定盤4枚を正確に水平にセッティング、その後にコーナーウェイトゲージ(電子的な体重計みたいなもの)をセットする。車体が低いので乗せるのは結構大変だ。

ホイールの清掃、タイヤ空気圧のチェックなどを体験する。

優れもののマキタ AC461XG型コンプレッサー。通常、車体のジャッキアップやインパクトには窒素ガス(7000リットル入りボンベ、150気圧充てん)を約20気圧に減圧して使う。頻繁にジャッキアップするのに窒素ガスを使うと勿体ないので、コンプレッサーを使うことにした。普通のコンプレッサは最高10気圧程度しか上げられないが、AC461XGは最大46気圧まで上げられる。レース時は時間を競うので窒素を使うが、通常のメンテナンスにはこちらで十分だった。(頻繁に使うと圧縮が間に合わないためレースには使用出来ない。)

ルーキーテスト、練習走行10周くらいでエンジンからのオイル漏れを発見。なかなか見つけにくかったが、オイルを水で冷やすヒートエクスチェンジャー(オイル・クラー)本体のピン・ホールから漏れていることが分かった。アルミ筐体をろう付でくみ上げた構造で、明日、ろう付修理を試みることになった。(こんな部品の週末入手は難しそう...)

翌3月22日(日)は朝からすっきりと晴れた。スタンドの向こうに富士山が見える。

簡易ガストーチを使ってアルミ低温蝋によるろう付修理を試みる。アルミは加熱の加減が難しい。また、簡易ガストーチは熱量が小さく熱の集中も悪い。何とか外見上の穴は塞がったが完全修理は出来なかった。

皆でドラム缶を押してサーキット内の給油所へガソリンを買いに行く。1レースで500~700リットルくらい使う。ガソリンはもちろんハイオク。

コーナウェイトゲージを乗せる場所を水平に調整する。具体的にはゲージの下にあるアルミ厚板で作った定盤の高さを調整する。この定盤、3カ所に高さ調整用のボルト脚が付いていて、これで定盤自体の水平と高さを調整する。以前は長いストレートゲージに水準器を乗せたりしていたが、今は「レーザー墨出し器」があるので随分楽になった。ただ、定盤自体の水平は気泡式の水準器を使っている。4つの定盤で作られる仮想の平面を「データムライン」と言う。

走行によってタイヤ接地面にコンパウンドの溶けたカスがこびりつくことがある。走行に支障がでるので、ヒーターガンであぶって柔らかくし、スクレッパーで剥ぎ落とす。最初は難しいが、なれてくると結構面白い作業だ。

データエンジニアである松田氏から走行データの説明を受ける。走行時に各センサーから送られてきたデータがデータロガーに保存される。この情報を読むことにより、走行状況が把握できるばかりでなく問題の発見や対策が立てられる。

23日(月)、ヒートエクスチェンジャーは交換することになった。部品が届くのは明日の昼頃。それまで、エンジン・ヘッドをめくっている間にギヤボックスの点検を行う。現場でのトランスミッションOHは普通にある作業だ。

チーフメカかニックである中里先生から、トランスミッション・ギヤの点検、分解方法などの手ほどきを受ける。23日は一日部品待ちの状況なので、空き時間を利用して各部の点検を行う。

24日(火)、テスト最終日の昼前にやっと部品が届いた。昼にかけて交換作業を行い、午後1時半からのテスト走行に何とか間に合う。

マシンの修理も終わり待ちに待ったテスト走行。皆でマシンをピットから引き出す。

給油ボトルによる給油風景。ボトルは約20リットル、給油口には特殊なベントバルブが付いていて、給油がスムーズに行くようベント(換気)しながらガソリンをタンクに流し入れる。

テスト走行に出かけるところ。


 マクラーレンの前でポーズを取る東 徹次郎ドライバー。


※本サイトでは「S-GT」と略記しているが、正しくは「SUPER GT」。
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